面接試験は30分のロールプレイと、約10分の口頭試問で構成されています。
設定は、次の通りです。
受検者は民間の相談機関等において、キャリアコンサルティングの実践を行いながら、キャリア・コンサルタントに対して事例指導の役割を担っていると仮定してロールプレイを行います。
事例指導とは、相談者へのよりよい支援と、事例相談者のキャリア・コンサルタントとしての成長を目的に、事例相談者の担当する事例を通して指導を行うものです。
具体的には、相談者に対する面談過程、事例の見立てや対応の方針、組織への働きかけ、リファーやコンサルテーション、事例相談者に不足する態度、役割意識、知識やスキル等について、気づきを促し情報提供や助言を行うことです。
引用元:http://www.career-kentei.org/download/grade1_jitsugi2014C.pdf
つまり、
事例相談者役 … キャリアコンサルタント
事例指導者 … 受検者
という二人がロールプレイを行いますが、事例相談者の向こうには、その場にはおりませんが、相談者が存在し、その相談者にたいして、事例相談者がどのような面談を行ったか、を事例指導者が指導するのです。
私自身もそうでありましたが、この、段階的な人間関係がまず理解することが難しい。ここはしっかり理解していないと、ロールプレイ中に、アプローチを間違えてしまいます。これが基本の大前提。
基本をふまえた上で、試験であるからには、事例相談者の何が足りないのか、どこかNGなのか、一生懸命探して、そこを指導する30分であるべきだと感じ、そのポイント探しをすることがロールプレイの練習、すなわち試験対策であると理解していました。
しかし、これでは合格しないのではないか、とある日ふと感じました。
それは、事例相談者も、立派なプロであるということです。
この場では事例について相談していますが、立派なプロなのです。
もちろん、実際にその役柄を引き受けている方は、私よりも経験がおありの可能性も否めないプロです。
そのうえで、その役柄、つまり設定の事例相談者も立派なプロです。立派なプロが、たまたまお持ちになった事例に関しては、気になることがあるということなんです。事例相談者と事例指導者に上下関係はないんです。 これは意外な盲点でした。
決して、劣っていたり、いわゆるダメなキャリコンさんであったり、上から目線で指導しなければならないキャリコンさんとは限らないのです。
たまたま、この30分は、受検者が指導しますが、逆もありえる関係なのです。
つまり、互いに尊重しあえる関係が必要であり、そこを忘れてしまうと、30分のロールプレイは失敗するだろう、と思いました。