※2018年2月2日発行の1級キャリア技能士試験対策メルマガ2017よりの抜粋記事です。
1級のメルマガ読者から、こんな質問をいただきました。
「ロールプレイをしている中で、相談者とのかかわりでどう感じたか事例相談者に問いかけますが、たびたび抵抗にあい、関係構築が崩れてしまいます。それ以降踏み込んだ質問をする勇気がなくなっています。どうしたらよいのか悩んでおり、良いアドバイスをいただければ、嬉しいです。」
ご質問してくださった方、ありがとうございます。
この状況に、実際の試験で、あるいは練習会でこのようなケースに陥った方は結構いると思います。
そのせいか、試験での事例相談者は意地悪をしてくるという話が出回っているのでしょう。
確かに、最初から、受検生であるあなたを試してやろうという事例相談者もいるかもしれません。
しかし、あからさまに最初から意味なく反抗ばかりするのは事例相談者役として問題があり、どこかで注意を促されていると思います(思いたいです)。
今回の質問内容を読み解いていきます。
「相談者とのかかわりでどう感じたか、事例相談者に問いかけます」
この質問をどの場面で問いかけたかです。
30分の指導面接の中、何度も何度もこの質問をしたら、正直、相談者との関わりがうまく出来ていないとしていないといわれているように感じるのはないでしょうか。
かかわりでどう感じたかを問いかけることで、あなたなら、そこで出てくる話で何を把握しますか?
事例相談者に質問をするからには、何かしら意図をもって質問をすべきと私は考えています。
事例相談者は質問されると、これは何のために聞かれているのかと思うはずです。
聴いたはいいけれど、自分が今日相談したいこと(指導を受けたいこと)に関係するように思えなければ、何度も同じ質問をすればイライラしてくると私は想像します。
相談者とのかかりで感じたことを聴くことで、指導者としてあなたは何を見極めますか。
例えば、
「事例相談者が相談者をどう見ているか(課題がどこにあるのか)を把握するため」
という理由であれば、この質問は、事例相談者のCC視点の課題を明らかにするために質問するということです。
そうであれば、質問した後に、事例相談者に質問の意図を伝え、フィードバックを行う必要があると私は考えます。
そのフィードバック自体が指導ポイントになるかもしれません。
私が書いたように、CC視点の課題を質問するなら、そのとらえ方がどうなのかを指導者であるあなたは回答する必要もあります。
事例相談者に質問する場合に、
・どんな意図で質問するか明確にすること
・質問する内容に、指導者として自分の見解をもっていること
が大切となります。
自分が相談者の課題や、相談者と事例相談者のキャリアコンサルティングの進め方の課題に問題があるというなら、指導者としての見解をもっていなければ、指導はできません。
相手にする質問には、自分も答えをもっていることが重要です。
少々、今回頂いた質問からずれたかもしれませんので、話を戻します。
「たびたび抵抗にあう」には理由があるはずです。
質問ばかりして責められているように思う、事例相談者の解決したいことに結びつく話が出来ていないと感じているからかもしれません。
もう一つの見解として、「抵抗にあう」というのは実は、受検者であるあなたの思い込みかもしれないということです。
事例相談者は抵抗しているというより、あくまでも淡々としていて、あなたにとって「そうです、その通りです!」のような良い反応を見せるとは限りません。
事例指導の進め方に迷いがあり、何が事例相談者の問題か把握できていない、問題が多すぎてどこを指導していいのか定まらないとすると、何度も同じことを聴いたり、自分の発言をすぐにひっこめたりする人が多々見られます。
指導に入ったら、根拠をもって問題点をつき、気づきを促すために客観的に視点(事例ケースに書いてあること、事例相談者話したこと)で話をしてください。
少しでもヒントになれば幸いです。