1級キャリア技能士を目指す方に向け、
・1級キャリア技能士のためのキャリアコンサルティング基礎力確認講座(2021/4/3,4/24開催)
を開催しました。
この講座、募集開始時は実はほとんど申込みが殆どいませんでした。
(結果的に、初回は3名、2回目は7名の方々が参加してくださいました)
それはなぜか?
今更、キャリアコンサルティングの基礎力確認など必要ないと無意識に思っている方が多いのです。
しかし、実態としては、2級キャリア技能検定を第20回より以前に合格している方は、現在の2級レベルの実力を持っているとは言い切れません。
なぜなら、1級・2級キャリア技能士の面接試験は、どちらの試験も、試験初期の頃と、現在求められるレベルがあまりに違うからです。
私は、2級は第2回合格、1級は第5回合格でした。
そのときのレベルで今、1級や2級を受けていたら合格できてはいないと思ってます。
2級キャリア技能検定は第20回前後から急激に面接試験で求められるレベルが高くなりました。
相談者が話したことをそのまま、相談者が本当に相談したいことと捉えると、今の2級試験ではおそらく、不合格となるでしょう。
1級キャリア技能士を目指す講座で、なぜ2級キャリア技能士の話をするかと言うと、1級を目指すのであれば、まずは現状の2級のレベルを把握し、そのレベルを持ち合わせている(実際のキャリアコンサルティングで行える)必要があると私は考えてるからです。
1級合格のためには、指導の勉強からではなく、熟練キャリアコンサルタントして、最低限2級レベルのキャリアコンサルティングが出来た段階から、1級の指導者としての学びに入るほうが早道なのです。
あなたが1級を目指し、2級キャリア技能士合格したのが第20回前後以降であれば、割とスムーズに1級指導を学べるでしょう。
しかし、それ以前の2級合格者であれば、まずは自分の今のキャリアコンサルティングのレベルをまずは引き上げることです。
1級に関しては準備期間は最低1年近くかかります。
いずれにしても、5月に勉強をスタートさせて、早すぎるということはありません。
勉強のスタートして、今、1級キャリア技能士に求められている事をおさえ、そして、自分のキャリアコンサルティングのレベルを確認し、レベルアップすることから始めてみることをお勧めします。
実際に講座では、
・1級試験に出てくる相談者(Aさん、Bさん、Cさん)に対するキャリアカウンセリング
を15分から20分でやっていただきました。
15分で、相談者が相談したいことをつかむという課題でしたが、参加者の皆さんはかなり苦労されていました。
この課題は、2級キャリア技能士レベルなのですが、実際やってみると15分では中々たどりつけないのです。
これは、指導において見落としがちな大きなポイントです。
1級試験は事例指導です。一人のキャリアコンサルタントが事例相談者として相談に来るということを忘れてはいけません。
事例相談者を受容し、共感するということを表面的ではなく、しっかりやらなければ、面接の得点が50点台だろうと、1級合格にはほど遠いと私は思います。
今回の基礎力確認講座に参加頂いた方からこんな感想を頂きました。
やっぱり単にCLがはじめに言っている問題状況が相談したいことではなく、そこからCOの明確化によってだんだんはっきりしていたことや、質問(問いかけ)によって分かってくることが本当に相談したいこと。
とはいえ詳細にはあやふやなこともあり確認したい点などもでてきました。
さらに、事例指導ということでは、これが出来ているかをどう把握していくか…うーん課題です。
事例指導者ができないことは教えられないと感じているので、こういう講座は有難いです。
この感想を書いてくださった方は1級に求められるものを今回の基礎力確認講座で掴めたようです。
まずは、2級レベルの力をつけること、そのために自分自身がスーパービジョンか事例指導を受けるのが、遠回りのようで近道なのです。