※2018年1月30日発行の1級キャリア技能士試験対策メルマガ2017よりの抜粋記事です。
【1】事例相談者をどうみるか
事例相談者はどんな人が来るかという話は、受検生であれば、一度は噂を耳にしたこともあるでしょう。
私も対面の講座で私の受検時の事例相談者の印象を話しています。
そのほか、再受検生の方にお話して頂くこともあります。
しかし、これはあくまで、私や、その受検生の方の場合です。
事例相談者役は
・必ず意地悪をしてくる
・愛想がなく、返事が、「あー」とか「そうなんですか」とそっけない
・時に怒って、紙を投げつける、机をたたく
・指導内容を言うと、「そうは思いません」「それが本当の理由ですか」という返事をする
などの話をあなたも聴いたことがあるのではないでしょうか。
情報は重要ですが、鵜呑みにするのはいけません。
事例相談者は意地悪くしてくると決めつけていくということは、その段階で、信頼関係を自ら構築できないと決めていくのと同じですから。
事例相談者が意地悪してくる、態度が悪いと予想するということは、あなた自身に事例相談者を成長させようという気持ちが無意識に閉ざされることになるかもしれないことを覚えておいてください。
また、事例相談者には、
・全く自信がないです。何もかも出来ていません。
・先生に私の悪いところを全部教えてほしいのです。
・すべてに「はい」「そうですね」と一応Yesの反応をする。
というタイプもいるでしょう。
これも罠だとまで思うといきすぎですが、なんでもYesといってきて答えを求めてきて、それにあなたが回答していたら、それは事例指導者をCCとして成長させる指導なのでしょうか。
ケース分析をすれど、事例相談者に対する思い込みのしすぎには注意してください。
ロールプレイ練習時にも、極端な事例相談者役を演じる必要はあまりないと思っています。
30分の指導の形が出来ていないのに、事例相談者役が難しい対応すると練習にならないです。
まずは基本形を確立するところまでは、事例相談者役のひとは、あくまでも普通の対応をしていきましょう。
【2】関係構築ができないんですと言われたら?
指導内容として、私たちキャリアコンサルタントが一番言われたくないのは「関係構築が出来ていない」という言葉です。
関係構築が出来ていないと言われたら、基本からすべて駄目と全否定されているような気がして、誰でもカチンとくるでしょう。
とはいえ、関係構築に課題があるとして、あなたはどんな指導を事例相談者にしますか?
これは案外難しいのではないでしょうか。
受容と共感を示すといいんですよと言ったとして、具体的な指導がイメージできますか?
受容と共感を教えるということは難しいことです。
感情の言葉をただ伝え返すことが関係構築ではありません。
最初に距離感を縮め、親しくなることだけでもありません。
是非、関係構築ができていないんですという方への指導も考えてみてください。